「さみしさの周波数」
乙一 角川スニーカー文庫
4篇を収録した短編集。
「未来予報」・・・・・友人に「お前ら、いつか結婚するぜ」と予言されて以来、お互い話せなくなって・・・。
「手を握る泥棒の物語」・・・・・伯母のお金を盗もうと旅館の壁に穴を開ける。そこに手を入れて掴んだものは若い女性の手だった・・・・。
「フィルムの中の少女」・・・・・大学の映画研究部の部室で8ミリフィルムをみつけた。映写してみると部員と関係のない少女の後姿が映っていた。少女は見るたびに振り向いてくるようだった・・・。
「失はれた物語」・・・・・事故で右手人差し指しか動かなくなった男。妻は手に文字を書き話しかける・・・。
どれもせつないお話でした。
中でも一番せつないのは「未来予報」。この結末はつらい。
私は「手を握る泥棒の物語」が好きですね。これだけがこのあとどうなるんだろう?って思えるから。
「フィルムの中の少女」はホラーではありません。
4篇収録でもページ数が少ないのでさくっと読める。
通勤通学電車やちょっとした待ち時間のお供にちょうど良さそう。
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