「しにがみのバラッド。」
ハセガワケイスケ 電撃文庫
真っ白な姿に赤い靴をはいた死神モモ。
モモが送る魂の近くにいる残される人にかかわっていく。
モモがかかわる様々な人たちの話がそれぞれ独立した話になっている。
大画家の親に期待をかけられ自分の絵を見失う少年の「ヒカリノキセキ」。
同級生の少女と一緒に神社で猫を飼う少年の「きみのこえ」。
心に傷を持ちながらまわりにさとられないように生活する少年と少女の「傷跡の花」。
部屋から出てはいけないと言われぬいぐるみの山の中で過ごす少女の「あの日、空を見てた女の子」。
それぞれの話の登場人物たちの行動や心理描写が絶妙。
モモがいなくても読める話であるが、モモがかかわることでせつなさにやさしさが加わってくる。
カレーであったり猫であったりする小道具も効いている。
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