『ルパンの消息』
横山秀夫 カッパノベルススペシャル
15年前、三億円事件が時効を迎えた日に起きた女教師の自殺が実は殺人事件だとたれ込みがあった。
時効まで24時間。当時高校生だった3人の事情聴取が始まる。
3人が計画実行したのは「ルパン作戦」と名付けた試験問題を盗むことで殺人とは関係のないことのようだった。
1人は当時の様子を淡々と語り、1人は顔見知りの刑事相手にわめく、そしてもう1人は焦点の合わない眼のまま黙り続ける。
3人(実質2人)の供述を元に事件関係者が警察に集められていく・・・・・。
それぞれにそれぞれの思いがあり、偶然と必然と周りの人々の思いが複雑に絡まり、真相は二転三転する。
ほとんどが高校時代に遡っての話のため文体が若くライトノベル感覚で読める。
深夜の学校に侵入して事件問題を盗むなんてちょっとワクワクしちゃったり。
おバカな高校生3人組とうさんくさい教師像はいかにもマンガ的でありながら、横山秀夫らしいリアルっぽい(ホントのところは知らないし)警察の描写もあるので、横山秀夫を手軽に読んでみたい人にはいいのでは?
三億円事件も少し絡んでいるものの、まあ、私としてはどうでもいいかな。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント