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2008.02.23

『輪環の魔導師 闇語りのアルカイン』

渡瀬草一郎 電撃文庫

見習い薬師のセロの祖父は優秀な魔導具職人だった。ところがセロには魔導具を作ることもできず、それどころか壊してしまい使うことすらできない。そんなセロに王立魔導騎士団のハルムバックは執拗に祖父の作った魔導具の在り処を聞き出そうとする・・・・。

漠然と読んでいると、セロと館のお嬢様フィノの恋物語か、はたまた王立騎士団を相手に闘うのか、と目的を見失いがち。
一つのシーンごとに楽しめると全体の背景がよくわかりどんどん面白くなってくる。

本の厚みのちょうど半分あたり。猫魔導師のアルカインが登場。
とたんに和み、ファンタジックで童話的な雰囲気が味わえます。
“肉球”連呼は猫好きにはたまらないでしょう。ぷにぷに・・・

最後は見ごたえのあるバトルで大満足。
それまで謎だった魔導具「還流の輪環(ソリッドトーラス)」の発現はなかなかのものでした。

この一冊で終わっても良いくらい完成された話ですが、“続”ということなので、これからどんな壮大な話になるのか楽しみでもあり、ついていけるか不安でもあり。
(同作者の「パラサイトムーン」も「空ノ鐘の響く惑星で」も面白いのにあと2冊くらいのところで飽きてしまった前科あり・・・・・。ごめんなさい。)

あ。でも肉球が呼ぶかも・・・・。

おすすめ!!

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