2008.02.16

『眠る探偵4 青い鳥』

榎田尤利 講談社X文庫ホワイトハート

完結巻。
連続強制殺人事件――脅迫して人を殺させるという事件が多発。子供の頃のいじめが原因の復讐劇だとわかるが、警察では実行犯の後ろに人を操れるという殺人鬼・三条が絡んでいるのでは見る。しかし三条をよく知る真音は三条にしては短絡過ぎる事件だという・・・・。

人の夢に同調し、同じ夢を見ることができる市羅木真音(いちらぎ・まおん)。幼馴染で真音のことを偏愛している三条。ようやくこの巻で決着します。
探偵助手で義弟の不破や刑事さんたちもそれぞれの役割をきちっとこなしていて、4巻目にしてようやく本としてまとまっているなあと思いました。

しかし本当に濡れ場はいらないなあ。それっぽい雰囲気は醸し出してもいいけど実況はいらないです。事件そのものが社会性のある事件だし、真犯人に至るまでの過程もなかなかいいので、これだったらハードカバーで出しても良さそうなのに、男同士の濡れ場がある限り無理ですね。残念。


“夢”が関わってくるので、寝る前に読むのはやめましょう。私はこれで翌日の頭痛に悩まされました。(いえ、決して二日酔いではありませぬ・・・)

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2005.07.07

『眠る探偵2 鏡よ、鏡』

榎田尤利 講談社X文庫ホワイトハート

探偵・一羅木真音のもとに独身サラリーマンの小山が依頼に来た。迷惑メールや嫌がらせの届け物をされて困っているというもの。
小山の依頼の調査を進めるうちに、小山の住むアパートの別の部屋の住人が事件を起こし行方不明になっていた・・・・。

前作よりおもしろかった。
あのいらなかった濡れ場はなくなり、真音の突然眠ってしまう発作も無意味に入ることがなくなり格段に読みやすくなった。
素直に事件を追っていけたし、真音を狙う三条のキャラクターが深くなってきた。
ミステリとしての謎解きはたいしたことないけれど、きっと謎解きを目指しているわけではないだろうからこれでいいのだろう。

二編目の「花婿と詐欺師と四万二百円」は、真音と不破隆(義弟・助手)の出会い編。
これ、おもしろかった。
建築現場で働いている不破のところに、花婿姿の真音が会いに行く。
二人のやりとりを興味津々で見る現場の人々がいい感じ。

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2005.06.12

『眠る探偵1 人形の爪』

榎田尤利 講談社X文庫ホワイトハート

睡眠障害を持つ探偵・一羅木真音(いちらぎ・まおん)の元に女子高生が依頼に来た。母親から人形扱いされている弟を救ってほしいというもの。
調べていくうちに新たな事件が起こるが、それは一羅木を狙ったものだった・・・・。

一応BLらしい。まー、ミステリ読んでて普通に男女の濡れ場があるのと変わり無い程度。挿絵はそれなりだけど。
なんかねー、そういうシーンいらんわー。

登場人物紹介のような前半はだるいが、後半、一羅木が狙われているとわかってからは不気味な怖さをともなってゾクゾクする。

根底にあるのは家族愛なのでつまらない濡れ場はページの無駄。その分ホラーに走ってください。

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2005.05.01

『妖魔なオレ様と下僕な僕5』

椹野道流 アズノベルズ

正路は、司野の宿敵カギロイに「司野を裏切るか、ここで死ぬか」を迫られる。
カギロイに呪をかけられた正路は子供の身体に変えられてしまった・・・・・。

ぶかぶかの服にうずもれる正路、かわいいっっ
今回はイラスト勝ちだな~。お子ちゃまなかわいらしさ全開です。
司野はどう見てもパパ!(笑)

正直なところ、ショタってるのかと思い、いくらなんでも幼過ぎるだろうと、買ってからもすぐに読めなかった。そう、いくらなんでもそんなシーンはなかったわけですが。ほっ・・・・・。

正路は、対処法を調べる司野を手伝うこともできないうえに、週末恒例の餌(気をわける)になることもできず、自分の存在意義まで思い悩む。
「元の身体に戻れなければそのまま育つのを待つだけ」とも言う司野。
うん。それもいいよね~。
正路も気楽にしてればいいのに、この子はすぐ悩んじゃうんだから。5歳の身体になったのも精神年齢に合せたんじゃと思うくらい。
悩んでもいいけどねー、もうちょっとしっかりしてほしいものです。

結果的にもちろん元に戻るのですが戻ってからの幸せ加減はいい感じ~~~。

カギロイ・・・・・、正路を5歳児化するために無理矢理使われたとしか思えん。かわいそうなヤツであった。

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2005.04.05

『君と緋色の恋を抱き』

高月まつり プラチナ文庫

桜の下で出会う、次期当主・裕利と使用人の子・浩太。
当主亡き後、仕事に追われる裕利は病に倒れ療養生活を余儀なくされる。
裕利を邪魔に思う後妻は、裕利が大切に思う浩太に狙いを定め・・・・・・。

BL小説ですが、・・・・・・・参りました。泣けます。
どこぞの中心で愛を叫んじゃうアレを鼻で笑ってた私が、というより、本を読んで泣くなんてありえない私がっ、涙溜めちゃいましたさっ。
まったくっ!
まさかBL本で泣くとは。それもプラチナ文庫~!なんでプラチナでこれなんだーーーー!(T_T)
だいたい、高月まつりさんといえば伯爵様シリーズが馬鹿面白くてコメディの人かと思ってたし~。(>_<) こんな切ない純愛が書ける方だとは・・・・・っと失礼っ!<(_ _)>

「君と緋色の恋を抱き」というプラチナらしからぬタイトルは、読後、本を閉じた時に一層の想いを感じる。よくもまあ、ここまでぴったりのタイトルをつけたものです。

ま、それなりの性表現はあるので嫌悪感のない方はぜひ。

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2005.03.10

『妖魔なオレ様と下僕な僕1~4』

椹野道流 アズノベルズ

2度目の大学受験に失敗した日、バイトもクビに。その上、轢逃げされてしまった。そんな僕の前に現れたヤツは妖魔で、餌になれば助けてやるという。死にたくない僕はその申し出に頷き妖魔の下僕生活が始まった・・・・・・。

法医学教室本の合間にこれ。
こちらはBLなんだけど、やっぱりあった。人体損傷の詳細記述。(+_+)
検案してるわけじゃないからそれほどでもないのだけど、やっぱりどこか他の作家さんとは違うんだよねー。思わず自分の顔と本の距離を離しちゃうというか。なら読まなきゃいいんだけどっっ、つい・・・・・。(>_<)

<1巻目>
妖魔の司野は平安時代の陰陽師に使えた式神。現代では骨董屋を営み持ち込まれる怪しい品物の憑き物落しをしている。
下僕になった正路は司野が仕えた陰陽師の辰冬と同じ気を持っているらしい。そんな正路の務めは司野に血を提供すること。
しかし、実は血を飲むこと以外に妖魔の食事となることがあるという。それはお互いが好意を持ち・・・・・。

<2巻目>
骨董屋に並べてある商品は持ち主として相応しい人にしか売らないので、いつのまにか女子高生の間でラッキーアイテムとして有名になっていて、ルポライターが取材に来る。取材は断るのに近くで不思議な出来事があったのでついでに立ち寄るという。その不思議な出来事とは、路上で即死状態の大量の血痕があるのに死体が見つからず、さらに血液でできた足跡が残っていたという・・・・・・。
轢逃げ復讐編。

犯人に報復が成ったあと、ワインでべろんべろんに酔った正路がカワイイー♪
泥酔状態で言ってしまう本音がとーっても切ないっ(>_<)

<3巻目>
イギリスの家の憑き物落とし。
依頼主の秘書が正路に手を出そうとする。
司野、嫉妬編。

人間の感情がよくわからない司野。そろそろイライラしてくる(^_^;)

<4巻目>
骨董屋の元の持ち主のお見舞いに神戸へ。そこから京都へ行き思い出の地を巡る。
妖魔の陽炎(カギロイ)は主復活のために、コンサートにきた客の気を大量に摂取しようとする。司野は阻止しようとするが、司野の力は平安時代の比ではなく陽炎に対抗できない。正路はなんとか司野の手助けをしようとして・・・・・。
平安時代のライバル登場編。

おもしろそうなキャラが出てきたー。
司野と正路の間に明確な進展がないのでこういう刺激がほしいところ。サイキックバトルな展開は違う本を読んでるのかと・・・。(^_^;)
今後、陽炎がうまくからんでくることを期待。

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左・司野/右・正路(年齢不相応なかわいらしい外見は言動にも表れてます(-_-;)

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2005.02.27

『歓楽の都 譚詩曲の流れゆく』

駒崎優 角川ビーンズ文庫

歓楽の都レーンに学生が二人逃げ込んでくる。一人は足を挫いて動けないでいるところをショウに助けられ、もう一人は射殺体となって発見された。助けられた学生ダドリーはそのまま金の城のショウの部屋に匿われるが、ショウの仕事を知ったりショウとレイのキスシーンを見たりしているうちに次第にショウに惹かれていく・・・・・・。

『歓楽の都』2巻目。
ショウとレイはレーン中の公認の仲なのにキスから先へは進まず。これが謳い文句の「恋人未満家族以上」ということなんでしょうかね。本当に先へは進まないんだろーか?

この巻では最高級のショウを買うにはいくら掛かるかが明らかになってます。
事件そのものもあまり切迫していないので(ダドリーは殺されかかるけれどショウにふりかからないのでヨシ)前巻よりほのぼのな雰囲気。

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2005.02.10

『王朝唐紅ロマンセ』

秋月こお 徳間キャラ文庫

『王朝春宵ロマンセ』『王朝夏曙ロマンセ』『王朝秋夜ロマンセ』『王朝冬陽ロマンセ』と本編が続き、『王朝唐紅ロマンセ』は外伝。

本編は、育てられた寺で身の危険を感じ逃げ出した美童・千寿丸と、危ういところを助けた蔵人・藤原諸兄のらぶらぶ話。
この千寿丸、ちょこちょこ・ちょこちょこ駆け回り、行く先々で美しいの愛らしいの言われ、不埒な輩からは狙われ拉致られ、実は高貴で危うい出自の秘密があり、などなど紆余曲折盛りだくさん。
「・・・まする~」という台詞回しがなんとも・・・まったりゆったりと・・・ときにはウンザリしつつ。あ、いえいえ、たいそうかわいらしゅうございまする。

で、本編もおもしろかったのだけど、私的に一番良かったのは外伝の唐紅ロマンセ。
諸兄の親友の在原業平と、千寿丸にそっくりな藤原の御曹司・国経の話。
国経の視点で書かれていて、本編ではあまりいいところのなかった国経の行動や気持ちがよくわかる。
千寿丸の「好きじゃ~」とやってるのより、国経の思い悩む様のほうがいい感じ。

全巻厚さ2センチくらいある。

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2005.01.16

『ムーンリット・エスケープ』

水壬楓子 幻冬舎リンクスロマンス

郭都の世継ぎ・咲埜。彩都へ向かう旅の途中、傷だらけの真菜を保護する。真菜は薬師で何者かに執拗に追われている・・・・・。

『ムーンリット・ラプソディ』がおもしろかったので同じシリーズのこちらも。刊行はラプソディより前。

ラプソディのコウモリがめちゃめちゃかわいかったから、こっちの真菜は何に変身するのかワクワクして読んでたのにーー・・・・・・・・

変身、しませんでしたーっ

(-_-;)

Amazon.co.jp: ムーンリット・エスケープイラスト 白砂順

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2005.01.14

『青の軌跡』

久能千明 幻冬舎リンクスロマンス
上下巻

惑星探査船ジュール=ベルヌは、二組のバディ、たった4人で運航する。
コールドスリープから目覚めた三四郎とカイがブリッジへ行くと、船の航路が少しずつ軌道をそれていくという。
4人は軌道のずれを直すためあらゆる手段を講じるが、船は導かれるように危険な宙域をめざしていく・・・・。

通常、男女で組み合わされるバディシステムなのに、コンピュータの手違いなのか男同士で組み合わされてしまった三四郎とカイ。
粗野で独自の対処法を持つ傭兵あがりの三四郎と、マニュアル完璧主義で人嫌いのカイが合うわけもなく、もう一組のクルーになだめられながら船の軌道修正に取り組む・・・・・。

BLレーベルでありながらぜんぜん色っぽくない。かなり硬派なSFな感じ。(本当のSFを知らないんで微妙な言い回し。(^_^;))
裏表紙とかそれっぽい絵なのに読んでみると実は電撃をくらわしてたり当身くらわしてたり。わはは。
色気より暴力沙汰重視(本当かい?)のところが私好みだった。

 イラスト 沖麻美也

追記:ネタバレ疑問→義父でも近親相姦になるの?ってか同性なら近親でもかまわないんじゃ??

超ネタバレ!ツボ台詞→「待っていろ・・・・・・・。いま、骨抜きにしてやる・・・・・・・」
きゃーーーーーー!!!(>_<)
やばい!やばい!やばい!!(^_^;)
これって~『るろうに剣心』の抜刀斎の台詞「殺してやるからかかってこい」に次ぐ大ヒット♪
もうだめ。くらくら(@_@) 骨抜きになった・・・・

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