2008.04.04

『背徳者の旅路 熱砂の星パライソ2』

宝珠なつめ C・NOVELS

人を喰らう外来生物に襲われている世界。
前回、騎士という上位ランクの化け物ギリーガルーに対峙している途中で終わってしまったので、その続きから。
このギリーガルー戦は前作で決着をつけてほしかった。思い出しながら読み始めたので緊迫感に欠けてしまった。

その後に出てくる見た目は怖いけれどさびしがりやのかわいい狼サハ・ポオ。
良いです。かわいい。
この子とルディの組み合わせがあったからこの巻は救われたかな。

ラスボス戦でかなり影響するレーンの過去話は、いや~な感じなので、ルディ&サハ・ポオがいないと投げたかも。
ラスボス戦はやはりグロかった・・・。展開はおもしろかったけど。

前巻から期待したレーンのかっこよさが今作はあまり感じられなかったのは残念。
できればかっこいいレーンとかわいいルディの活躍するところをもっと読みたいなあ。サハ・ポオも復活して3人組で活躍してくれるといいのだけれど・・・。

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2008.03.23

『クリムゾン・ルーム』

高木敏光 サンマーク出版Crimsonroom_gera

ゲームクリエイターの高木は、ヒット作を生み出したことで順風満帆な生活をしているように見える。しかし、実態は新作ができず酒におぼれ自堕落な生活をしていた。
そんな時に、時々送られてきた意味不明なメールの差出人“K”が、高木に会いに来るという。“K”は高木の作品をオマージュした作品を作っていた・・・・。

本作は『CRIMSON ROOM』という密室からの脱出ゲームを元にした小説である。しかし、密室からの脱出をメインとした話ではなく、あくまでも『CRIMSON ROOM』や関連作『VIRIDIAN ROOM』の背景の物語といったところであった。

確かに背景がなければ、なぜ監禁されたのかわからないわけで、密室に監禁されるまで「ああ、こういう顛末で閉じ込められたのね~」「こういう発想でゲームができたのね~」とわかる。

作者の高木氏の名前がそのまま主人公の名前になっているので、なるほどこうやってできたのかと思ってしまうが、「いやいや、これはあくまでも小説だし」と何度となく自分に言い聞かせながら読み進めていたということも無きにしも非ず。

これが実話だったら高木氏は嫌~な人物で自分で自分を貶めていることになってしまう。・・・・・でも、そう思わせるような手法を取るところが、あざといというか、ちょっと読者を小バカにしてるようなきがしないでもない。まあ、それが高木氏の“毒”なのだろうが。

(実際の高木氏はご本人のブログで家族を大切にされている方とわかるので、だから小説のようなことを安心して書けるのかなとも思う。→ TAKAGISM 元ネタのゲームもここ。)

さて。
物語の中の高木は“K”が作った作品を高木の名前で売りあぶく銭を手に入れるが、酒におぼれ、カジノに手を出し、どんどん堕ちていく。しかし堕ちていく過程でいい思いもしているので何の同情もわかない。単なる自業自得。

さらにいえば、ようやく密室に閉じ込められ、脱出劇に期待したにもかかわらず、あまりにもあっさりした密室からの脱出にはがっかり。(というより脱出でもなんでもなかった。)ゲームがクリアできたときのような解放感を感じたかった。密室中の排泄行為など不快以外の何物でもない。

栄光から堕ちる男がどん底を見るが、そこに復活の光明を見つけ、本来自分のやるべきことを成し、再び栄光を手にする。ある種サクセスストーリーでもあるのだろうけど、残念ながらゲームをクリアしたときのような爽快感・達成感は感じられなかった。

やはりゲームとこの小説は別物として期待せずに読むのが正しい読み方だと思う。そして、活字になるより、Web小説や携帯小説だったら、もっと楽しめたのではないかと思う。(昨今の“携帯小説から生まれた云々”というのよりはかなりマシではあるが・・・。)

しかし・・・・・読み終わるとまた脱出ゲームをしたくなる。(そりゃ小説に満足してないから。)もしかして嵌められたのだろうか?

 小説「クリムゾン・ルーム」公式サイト 

クリムゾンルーム公式サイト

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2008.03.20

『神父と悪魔2 銀の森の人狼』

志麻友紀 ビーズログ文庫

ヴェドリックは仕事のため田舎の村へ向かった。その村では村人が次々と狼憑きになっていた。ヴェドリックは一瞬で狼憑きを救済するが、原因は近くの森の人狼で・・・・。

エクソシストの神父ヴェドリックと大悪魔のアンシャールとヴェドリックの守護天使のオフィエルの3人の珍道中もの?

1巻目を読まずにこの2巻目から読んでしまったけれど、違和感無く楽しめる。
神父と悪魔と天使のテンポのいい会話が楽しかった。

タイトルと表紙のイメージでは3人が美形バリバリで三角関係っぽいけれど、全然そんなことはなく、優しそうな絵柄が良い意味で裏切っていると思う。

面白かった。1巻も読まなければ。

  

右上の黒い人が悪魔のアンシャール。メイドさんもアンシャール。

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2008.02.23

『輪環の魔導師 闇語りのアルカイン』

渡瀬草一郎 電撃文庫

見習い薬師のセロの祖父は優秀な魔導具職人だった。ところがセロには魔導具を作ることもできず、それどころか壊してしまい使うことすらできない。そんなセロに王立魔導騎士団のハルムバックは執拗に祖父の作った魔導具の在り処を聞き出そうとする・・・・。

漠然と読んでいると、セロと館のお嬢様フィノの恋物語か、はたまた王立騎士団を相手に闘うのか、と目的を見失いがち。
一つのシーンごとに楽しめると全体の背景がよくわかりどんどん面白くなってくる。

本の厚みのちょうど半分あたり。猫魔導師のアルカインが登場。
とたんに和み、ファンタジックで童話的な雰囲気が味わえます。
“肉球”連呼は猫好きにはたまらないでしょう。ぷにぷに・・・foot

最後は見ごたえのあるバトルで大満足。
それまで謎だった魔導具「還流の輪環(ソリッドトーラス)」の発現はなかなかのものでした。

この一冊で終わっても良いくらい完成された話ですが、“続”ということなので、これからどんな壮大な話になるのか楽しみでもあり、ついていけるか不安でもあり。
(同作者の「パラサイトムーン」も「空ノ鐘の響く惑星で」も面白いのにあと2冊くらいのところで飽きてしまった前科あり・・・・・。ごめんなさい。)

あ。でも肉球が呼ぶかも・・・・。

おすすめ!!

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2007.11.22

『腐女子彼女』

ぺんたぶ   エンターブレイン

知らずに付き合い始めた彼女が実は腐女子だった。
不思議な専門用語をつらっとクチにする彼女。
アニメも見ない僕だったけどいつのまにかその道へ・・・・・?


ぶっちゃけ、ノロケ話。

腐女子とかオタクとかはちょっと置いておいて。

彼氏のIDで勝手に買い物するということのほうがどうかと思うのだけれど、今はそういうのアリなんでしょうかね?
私としては、そういう非常識的な行動のほうに疑問を感じてしまったなあ。

で。腐女子とかオタクとかのネタですが、ネタそのものは私でもなんとなくわかるくらいなので許容範囲かなと。
(前に読んだ「となりの801ちゃん」のオタクネタは高度でついていけなかった・・・)

まあ、すべての事象に対して“僕”の懐の深さに感心します。

楽しかったです。

あ。パート2も出てるのですね。ふふ・・・

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2007.11.21

『異形を狩る者 熱砂の星パライソ1』

宝珠なつめ C・NOVELS

人を喰らう凶悪な怪物がいる世界。一匹狼の賞金稼ぎのレーンは、ひとりで怪物を倒そうとしている少年ルディを助ける。ルディは、怪物に連れ去られた姉を救うため、ひとりでも姉を探し怪物に立ち向かうという。
レーンはしかたなくルディと同行するが・・・・。

とにかく怪物が気持ち悪い。
最初の頃に出てくる怪物はただ凶暴なだけだが、“騎士”という上位の怪物になると、人を食べてその人の特性を得ていくという。
読み進めるうちにどんどん気持ち悪い奴が出てくる~~~うへ~~。

賞金稼ぎのレーンは、強くてカッコイイ!
アクションシーンに勢いがあってレーンの強さがよくでている。
でも皆に嫌われているらしい。なぜ嫌われているのかはこの巻ではまだわからない。

ルディはごくごく普通の少年。
戸惑ったり拗ねたり、怖がったり強がったり。表情がくるくる変わってかわいい。

主役の2人以外にも、食堂のお姉さんや賞金稼ぎのスーパースターチームのメンバーなど、筋の通ったおもしろそうなキャラが出てくる。

魅力的な人間キャラとアクションに痛快なライトノベルを味わえるかと思いきや、じわりじわりと迫ってくる気持ち悪さはちょっとしたホラー気分も味わえるかも。

うわ~気持ちわるーと思っていると「続く」。
早く続きが読みたいっ!!

久しぶりに、おもしろいと思ったような気がする。

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2007.10.03

『最愛』

真保裕一 新潮社

子どもの頃、両親を事故で亡くした姉と弟は、それぞれ別の親戚に預けられる。姉のほうは親戚宅と折り合いが悪く、高校になると家を出てしまった。
その後、18年間音信不通だった姉が、消費者金融で頭を撃たれ重体だと、突然警察から連絡が入る。同時に姉がその前日に結婚していたことも知らされるが、その夫は一向に姿を現さない。
姉に何が起こったのか、姉の夫はどこに行ったのか、部屋に残された7通の年賀状を頼りに姉の周辺を探っていく・・・・。


手帳と携帯電話は警察から返してもらえないので、部屋に残されていた年賀状しか頼りになるものがなかったというのだが。

ん~?私のところに来る年賀状なんて今付き合いのある人より、昔の同級生とか、遠方に住んでて会えない人とかが、年に1度の生存確認をするようなもの。
だから年賀状なんかで辿られても“いま”はわからないけどな~。

ま、この弟はがんばりました。
次々と人に会い話を聞いて、次の手段を得ていきます。ものすごい行動力と分析力です。

わかっていくのは姉のぶっとんだ行動!!
とにかく“理不尽なことをしているやつは許さない!”という正義の味方ばりの行動の数々。
(最初のほうに出てくる姉の勤め先で地味に事務してる姿とは結びつかないんですがね)

このあたりの、姉のしてきたことと、その周辺に出てくる男たちと最終的に選んだ夫のことなど、次々とわかってくるところは、どんどん読めて面白い。

が。
この事件の顛末で終わっていればよかったのに、そのあとにこの姉と弟の因縁がついてくる。
確かに、それがあればこその本書のタイトルであって、事件のことだけではどこが「最愛」なのかと感じていたのは事実であるが。

その因縁そのものにも引き気味だったけれど、最後の最後に弟がやったことはさらにその上をいき、ここに至るまでの行動をすべて否定する行為だと思う。

もしこれがどんでん返しを狙ったものであるのなら、大ハズレもいいところだと思う。


弟クン、けっこうかっこいい感じでよかったんだけどね~、残念!

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2007.10.02

『ヴェルアンの書 シュ・ヴェルの呪い』

榎木洋子 小学館ルルル文庫

侍の称号をもつ父・籐桐ヒロチカのもとへ、金髪碧眼の青年セルキスが訪ねてきた。病床のヒロチカはセルキスが来ることを待ち望んでいたが、姿も名前も知らないという。
娘のサツキは数日前にヒロチカに腕輪を託されていたが、その腕輪を元の持ち主のセルキスに返すためには侍にならないといけないと言われる。
ヒロチカが亡くなり、サツキはセルキスと共に侍試験に向かうことになるが・・・・。


和風のお話かと思えば、洋風であったり。無国籍ファンタジーというより、ごちゃまぜファンタジーという感じ。
今回は、和風がメインのようで、日本刀や袢纏、侍試験に時代がかった話し方をする男や挿絵にちょんまげ姿がでてきたりする。

そこにいかにも洋風ファンタジーな腕輪やセルキスが混ざってくるので、とても妙な雰囲気。でも違和感というほどのことでもない。

タイトルのイメージに程遠い“侍”が物語にどう活かされていくのか、楽しみだ。
サツキの剣技がかなりのものなので、バトルシーンにも期待ができそう。

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2007.09.18

『龍の黙示録6 水冥き愁いの街 死都ヴェネツィア』

篠田真由美 NON NOVEL

イタリアに戻ったセバスティアーノに危機が。救出のため、龍と透子とライルはヴェネツィアに向かう。
ヴェネツィアでは龍を恨む美少年ヴァンピロや、魔女と呼ばれる修道女に次々と襲われる・・・・。


ようやく、とうとう、やっと、龍が透子に思いを告白!
きゃー!ラブラブ~と・・・・いくわけはなく。だって透子さんだし。
それでもなんとか悩み始め、ほんの少し進展でしょうか。

この巻は、透子さんが覚悟を決める巻かな。
龍たちと一緒に居続ければ、血なまぐさいことも避けられないという。

そして、セバスティアーノ。すごい。
ぴょんぴょん飛んでるし、PKまでしちゃうし。大活躍。
これで見目がもう少し・・・もごもご・・・。

次から次へと盛りだくさんにいろいろなことが起こった巻でした。
なかなか進展しない2人に対するライルのツッコミがおもしろかった!!

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2007.09.12

『Stand Alone』

駒崎優 講談社X文庫ホワイトハート

個展を開いている画家クリスのもとに1人の青年ラフィが訪れる。彼らは少年時代に兄弟のように育った幼馴染だったが、ある事件を境にクリスは消息を絶ち、10年ぶりの再会であった。
クリスは、ラフィとの再会を喜びながらも過去の事件のトラウマに悩まされ、どうしてもラフィを受け入れることができない・・・・。

BLらしいんですが、どちらかといえばゲイ小説?
いや、本物は知りませんが、派手な肌色満載の“ありえねー”BL小説とは違う雰囲気。
ちょっとミステリっぽいところもあり、恋愛ドラマではないところがよい。

表紙は普通のラノベっぽいけど、挿絵は華美なマンガちっくじゃなくて、この小説の雰囲気に合っててとてもいい感じ。

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